盗難の手口・仕組み

CANインベーダーとは何か?なぜリレーアタック対策では防げないのか

2026年1月1日

CANインベーダーとは何か(定義)

CANインベーダーとは、車両内部のCAN通信(Controller Area Network)に物理的に接続し、電子制御を乗っ取って解錠・エンジン始動を行う盗難手口である。スマートキーの電波を一切使用しないため、リレーアタック対策では防げない。

CAN通信とは

CAN通信は、車両内の電子機器(エンジン制御、ドアロック、メーター等)をつなぐ通信規格である。1980年代に開発され、現在販売されているほぼすべての車両に搭載されている。

この通信規格は、車両内部での使用を前提に設計されたため、外部からの不正アクセスに対する防御機能が弱い。

侵入経路

CANインベーダーは、以下の場所から車両の配線にアクセスする。

侵入経路

特徴

ヘッドライト裏

バンパーを外さずにアクセス可能な車種が多い

フロントバンパー内

配線が露出している車種が狙われやすい

OBDポート

車内に侵入できた場合に使用される

犯行時間

専用ツールを使用した場合、解錠からエンジン始動まで数分〜10分程度で完了する。深夜の住宅街や、人目につきにくい駐車場で犯行が行われるケースが多い。

なぜCANインベーダーが増えているのか

リレーアタック対策の普及により、電波を使わずに盗める手口としてCANインベーダーが増加している。

リレーアタック対策の普及

2010年代後半からリレーアタックの認知度が上がり、電波遮断ポーチやスマートキーの電波オフ機能を使う車両オーナーが増えた。この対策が広まったことで、リレーアタックの成功率が下がった。

電波を使わない手口への進化

窃盗グループは、電波遮断では防げない手口としてCANインベーダーを採用するようになった。スマートキーを持っていなくても、車両の配線に直接アクセスすれば解錠・始動できるためである。

専用ツールの流通

CANインベーダーに使用する専用ツールが、海外のサイトを通じて流通している。ツール自体は本来、整備や診断用途で開発されたものだが、悪用されている。

狙われやすい車種

以下の車種は、海外で高値で売却できるため、特に狙われやすい。

  • ランドクルーザー(70系、200系、300系)
  • レクサスLX / RX
  • アルファード / ヴェルファイア
  • プラド

よくある誤解

「スマートキーを守れば安心」という認識は、CANインベーダーには通用しない。

誤解

正解

電波遮断ポーチで防げる

CANインベーダーはスマートキーの電波を使わない。電波遮断では防げない

ハンドルロックで防げる

解錠・エンジン始動後に切断されるため、犯行を遅らせる効果はあるが阻止はできない

新しい車なら安全

CAN通信は現行車両のほぼすべてに搭載されている。新しさは関係ない

純正セキュリティで十分

純正セキュリティはCAN通信経由で無効化される場合がある

自宅駐車場なら安全

深夜の住宅街が狙われるケースが多い

有効な対策/効かない対策

CANインベーダーには「CAN通信への侵入を検知・遮断する」または「エンジン始動自体を別の仕組みで止める」対策が必要である。

対策の有効性一覧

対策

有効性

理由

電波遮断ポーチ

電波を使わない手口のため無効

スマートキー電波オフ

同上

ハンドルロック

時間稼ぎにはなるが、解錠後に切断・外される

タイヤロック

同上。移動を遅らせる効果はある

OBDロック

OBD以外の侵入経路(ヘッドライト裏等)には無効

CAN通信遮断装置

不正な通信を検知・遮断できる

エンジン始動ロック(認証式)

CAN経由で始動信号が来ても、別の認証がなければ始動しない

GPS追跡装置

盗難自体は防げないが、発見率向上に寄与する

対策の組み合わせ

単一の対策ですべてを防ぐことは難しい。複数の対策を組み合わせることで、犯行の難易度と所要時間を上げる考え方が有効である。

例:

  • ハンドルロック(時間稼ぎ)+エンジン始動ロック(始動阻止)+GPS追跡(発見支援)

※ 車種によって侵入経路が異なるため、自分の車両でどの経路がリスクになるかを確認した上で対策を選ぶ必要がある。

CAR Controlの位置づけ(万能ではない)

CAR Controlは、エンジン始動を物理的にロックする方式でCANインベーダーに対応する。ただし、車両の持ち去り自体を防ぐものではない。

できること/できないこと

できること

できないこと

エンジン始動の阻止(認証がなければ始動しない)

レッカー・積載車での持ち去り防止

不正侵入時のアラーム・プッシュ通知

車内荒らし・部品盗難の防止

GPS追跡による位置特定・発見支援

通信圏外(地下・山間部等)での追跡

移動履歴の記録

盗難そのものの未然防止(犯行を断念させる保証はない)

条件と限界

  • GPS追跡は4G通信を使用するため、通信圏外では位置情報が更新されない
  • 積載車で運ばれた場合、エンジンロックは機能するが移動自体は防げない
  • 取り付けには専門業者による作業が必要(DIY不可)

どのような状況で有効か

状況

CAR Controlの有効性

エンジン始動による盗難

○ 有効(認証なしでは始動しない)

積載車での持ち去り

△ エンジンは止まるが移動は防げない

通信圏外での追跡

✕ 位置情報が取得できない

車内荒らし・部品盗難

✕ 対象外

自分の駐車環境・想定リスクに応じて、CAR Controlが有効かどうかは異なる。

自分の車・環境に当てはまるか判断に迷う場合

CANインベーダー対策は、車種・駐車環境・侵入経路によって有効な手段が異なる。

「自分の車が対象になるか」「どの対策が有効か」を確認したい場合は、車種情報と駐車環境をもとに個別相談が可能。

愛車の盗難対策をお考えですか?

CAR Controlで大切な愛車を守りましょう