リレーアタックとは何か?なぜ有効な対策が難しいのか
2026年1月1日
リレーアタックとは何か(定義)
リレーアタックとは、スマートキーが発する微弱電波を中継器(リレー)で増幅・転送し、車両に「鍵が近くにある」と誤認させて解錠・エンジン始動を行う車両盗難の手口である。
スマートキーシステムは、鍵と車両の間で電波を送受信し、一定の距離内にあると判定した場合にのみ解錠・始動を許可する仕組みである。リレーアタックは、この距離判定を無効化することで成立する。
実行には2人以上の犯行グループが必要なケースが多い。1人が玄関付近でスマートキーの電波を受信し、もう1人が車両そばで中継器を使って電波を転送する。この一連の動作は数十秒で完了することがある。
なぜ起きるのか(仕組み)
スマートキーは常時微弱な電波を発しており、その電波が中継されると車両側は本物の鍵と区別できない。
スマートキーが発する電波の周波数は一般的に125kHz(LF帯)と300〜400MHz帯(UHF帯)の2種類である。LF帯は車両からキーへの呼びかけ、UHF帯はキーから車両への応答に使われる。
中継器はこの電波を増幅・転送するだけであり、暗号の解読は行わない。車両側から見ると、正規のキーが応答しているように見えるため、不正アクセスとして検知できない構造になっている。
電波の到達距離はキーの電池残量や周囲の電波環境によって変動するが、通常は1〜2メートル程度である。中継器を使うことでこの距離を数十メートルまで延長できる。
よくある誤解
「家の中にあれば安全」「電波が届かない」と思われがちだが、壁や窓を通過することがある。
木造住宅やガラス窓は電波を通しやすい。玄関付近にキーを置いている場合、屋外から電波を拾われるリスクがある。鉄筋コンクリート造であっても、窓際や薄い壁を通過する可能性はゼロではない。
「電池を抜けば防げる」という誤解もあるが、電池を抜くとスマートキー機能が完全に使えなくなるため、実用性を損なう。また、一部の車種では電池残量が低下すると自動的に電波出力が弱まるが、完全に停止するわけではない。
「短時間なら大丈夫」という認識も危険である。リレーアタックは数十秒で完了するケースがあり、コンビニでの買い物中や自宅前での荷物の積み下ろし中にも発生しうる。
有効な対策/効かない対策
電波遮断ポーチは有効だが、節電モード非対応車種では効果がない場合がある。
有効な対策
対策 | 効果 | 条件・注意点 |
|---|---|---|
電波遮断ポーチ | キーからの電波発信を物理的に遮断 | 毎回入れる習慣が必要。品質によっては遮断が不完全な製品もある |
節電モード(対応車種のみ) | キーの電波発信を停止 | 対応車種が限られる。解除を忘れると施錠・解錠ができなくなる |
ハンドルロック | 物理的な盗難抑止 | リレーアタック自体は防げないが、持ち去りまでの時間を稼げる |
効果が限定的な対策
対策 | 限界 |
|---|---|
玄関から離れた場所にキーを保管 | 木造住宅では電波が届く場合がある |
アルミ缶にキーを入れる | 遮断効果が不安定。蓋の隙間から漏れることがある |
CAR Controlのような追跡・通知型デバイスは、リレーアタックの「発生自体」を防ぐものではなく、発生後の対応を支援する位置づけである。電波遮断と追跡デバイスは目的が異なるため、どちらか一方で万全とは言えない。
CAR Controlの位置づけ(万能ではない)
CAR Controlはリレーアタックの「発生自体を防ぐ」機能ではなく、発生後の追跡・通知を担う選択肢の一つである。
リレーアタックが成功した場合、車両は正規の解錠として処理されるため、セキュリティアラームが作動しないことが多い。この段階でCAR Controlが提供するのは、車両の位置情報と移動検知である。
CAR Controlができること
- 車両の現在位置をリアルタイムで把握
- 設定した範囲外への移動を検知して通知
- 盗難発覚後の追跡情報を警察に提供
CAR Controlができないこと
- リレーアタックの電波中継を検知・遮断
- 解錠・エンジン始動をブロック
- 犯行自体を物理的に阻止
リレーアタック対策を考える場合、「発生を防ぐ」対策(電波遮断ポーチ、節電モード等)と「発生後に対応する」対策(追跡デバイス、物理ロック等)を分けて検討する必要がある。CAR Controlは後者の選択肢の一つであり、単独で「リレーアタック対策が完了する」わけではない。
FAQ
車種や駐車環境によってリレーアタックのリスクと有効な対策は異なります。ご自身の状況に当てはまるか判断に迷う場合はこちらからご相談ください。
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